さまざまな英語試験で扱われる「リスニング」。「どうも苦手で…」という悩みをお持ちの方も少なくないようです。とは言え、試験のスコアアップにも会話力アップにも欠かせないスキルですから、苦手のままにしておくわけにもいきません。リスニング攻略の第一歩として、今回はリスニングの正体、つまり「リスニング力とは何でできている能力か」を探って行きましょう。

「リスニング」とは、その名のとおり耳から入る情報を処理することです。この「処理すること」というのが重要なポイントで、これは言い換えると「意味を理解する」ことに他なりません。となれば、リスニングの要素はたった三つ。発音の理解、語彙の理解、そして文法の理解です。順に見ていきましょう。

正しい発音ができないと、正しく発音された英語を聞き取ることができません。単語の発音やストレスはもちろん、「連続発音」(音の連なり)の理解も欠かせない要素です。例えば、I’m going to leave. 「アイム・ゴーイング・トゥ・リーヴ」(今出るところです)は、I’m gonna leave.「アムガナリーヴ」のように発音することがほとんどです。聞きなれていないと繋がりの定型が聞き取れません。

また、知らない語彙は脳内で「意味」に変えられません。正確に音声を捉えることができ、さらに綴りの想像までついたとしましょう。それでも、そもそもその単語や熟語を知らなければ文の中で担う「意味」を取ることは不可能です。

つぎの壁は、知っている単語がつながって文になった時、瞬時にその文意を理解できるかです。文法全体、特に構文への理解は聴解に大きく影響します。 リスニング力とはつまり「発音力」「語彙力」「文法力」が合体したものです。ご自身の習熟度に応じてこの3つをバランスよく育てるのがリスニング力アップの近道です。